コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

試合の結果よりも大切なこと

vol.96 | 2021/3


日頃のスクール運営において、新型コロナウイルス感染拡大防止の取り組みに、ご理解とご協力をいただきありがとうございます。
手洗い、うがいをこまめに行い、体調管理には十分に注意しましょう。

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暖かくなったり、寒くなったりと気温の変化が激しい時期です。
手洗い、うがいをこまめに行い、体調管理には十分に注意しましょう。

今月は、目先の結果よりも大切なことについてお話します。

■試合の勝敗

サッカーなど競技スポーツには、必ず、勝ち負けの結果がついてきます。
試合の時、皆さんはどれくらい勝ち負けを気にしていますか? もちろん、試合に勝つことは大切です。しかし、もっと考えてほしいのは、ただ単に勝ち負けの結果ということではなく、これまで練習したことをどれだけ試合の中で試すかということです。チャレンジしての失敗は何回してもよいと思いです。チャレンジして初めて今の自分に足りないモノが分かり、その後の練習に結びつけられます。もちろん、成功したチャレンジは自信を持ってモノにすることができ、得意なプレーとなります。
長いスパンで考えた時、目先の結果よりも、どんなメンバーでも、どんな対戦相手でも、しっかりと自分のプレーができるようになることがすごく重要です。
試合における勝ち負けの結果よりも、自分が他の誰よりも1番チャレンジできた、1番ドリブルでかわすことができたなど、試合後に自らのプレーやチャレンジを振り返ることが私は大切だと思います。


■『勝利は一瞬、育成は一生』

『勝利は一瞬、育成は一生』私の高校時代の恩師である井田勝通氏(元静岡学園監督)のお言葉です。以前にもお話させていただきましたが、この一言には、育成段階の子どもたちに向けて、非常に深い意味が込められていると私は感じています。

勝ち負けを「目的」にすることでは、競技スポーツの本質にはいつまでたっても迫れません。
勝敗は、「目標」のひとつですが「目的」ではありません。
「目的」に向かう手段として「目標」があるということを常に理解して取り組む必要があります。
とにかく勝つことばかりが先行してしまう指導者は、選手の先を見ていない。勝利は目標だが目的ではなく、栄冠は瞬間のものです。サッカー人生はもっともっと豊富で、その先に素敵に長く続くものです。
目の前の勝利を拾い、先の多くを失う事を見る場面もあります。特に小学生、中学生年代であれば、その時の結果に一喜一憂しては成り立ちません。誤解を恐れず言えば、チームの勝利は負の意味を持つこともあると思います。

ひたむきに頑張ってもすぐに叶わないことが世の常識です。上には上がいることの認識、敗北を受け入れる器をもつこと、対戦相手に対する尊敬。これらを踏まえたうえで一番大切なことは、試合の勝ち負けではなく、目的を達成するための練習なのです。
目先の瞬間的な勝利で得る喜びよりも、未来につながるために自身を磨き続ける努力をすることが本当に重要なことだと思います。


■保護者の方々へ

保護者の皆さんの試合における熱量は相当なものがあります。もちろん、頑張っている子どもたちに向けての応援はとてもかけがえのないものです。ただ、時に勝利という結果だけが先行し、応援に熱が入りすぎ、子どもの勇気あるチャレンジを見逃してしまい、試合中や試合後に子どもに対して過剰なアドバイスをしてしまい、子どもに余計なプレッシャーをかけてしまうことになりがちです。そうなってしまうと、子どもは、ストレスを感じ本来のサッカーの楽しさが薄れてしまうことになります。

子どもたちの成長過程において目の前の勝利よりも、もっと大切なものがあると私は思っています。子どもたちが成長していくためには、日々たくさんボールに触り自らが努力することが1番重要です。
そうしたなか試合では、日々練習したことをどれだけ試せるかが重要になります。
試合での勝ち負けよりもどれだけチャレンジすることができたかが重要なのです。勝ち負けの結果に縛られてしまうと、子どもたちは失敗をしないようにプレーするようになりチャレンジ精神を失ってしまうことになります。

保護者の皆さん、試合や練習の応援に行く際には、お子さまがどんなプレーをしたのか、またはしようとしたのかをしっかりと見てあげてください。仮に試合で負けてしまっても、積極的にドリブルをしようとチャレンジしていたり、周囲をしっかりと見てパスを出していたり、失敗を恐れずにプレーし、チャレンジしている姿をしっかりと褒めてあげてほしいと思います。


■まとめ

長いスパンで考えればお子さまの目の前の試合における勝ち負けは気にしなくてもいいと思っています。
とにかく日々努力し、失敗を恐れずにチャレンジし続けることが成長につながります。
どんなメンバーでも、どんなチームでも、どんな対戦相手でも、しっかりと自分のプレーができるように練習していきましょう。自分が他の誰よりも1番チャレンジできるようになることが大切だと思っています。

指導者・子ども・保護者とそれぞれ立場は違いますが、長い目で日々努力とチャレンジをしていくことが育成段階では大切になりますので、子どもが努力できる・チャレンジできる環境を作り出し長い目で見守ってほしいと思います。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。