コナミスポーツマスターインストラクター大石鉄也のサッカーコラム SOCCER COLUMN by Tetsuya Oishi

コナミスポーツクラブサッカースクールの特徴

vol.106 | 2022/1


2022年がスタートしました。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

本格的な冬の寒さが続いています。コロナ禍において、一人ひとりの感染予防への取り組みがとても大切です。
日頃から、手洗い、うがいをこまめに行い、マスクをするなど予防対策を万全にして、体調管理には十分に気を付けるようにしましょう。

毎年1月のコラムでは、新年の抱負として、私のサッカー育成指導に対する拘りについてお話しさせていただきますが、今回はコナミスポーツクラブサッカースクールの特徴についてお話します。


■私の経験から~なぜ技術を身に付けることが大切なのか

小・中学生時代の私は身長が小さく、ボールをキックしても遠くに飛ばず、強いシュートを打つなんてまったく出来ませんでした。当時、所属していた地元の少年団も、決して強豪チームとは言えませんでした。そのチームは、「とにかく技術を身につけよう」という指導方針でしたので、毎日必死にリフティングやドリブルを練習し、試合の中でドリブルを積極的にチャレンジしていました。コーチの口癖は「スピードやパワーに頼ることなく、テクニックで相手を抜こう」でした。その意味を大いに実感したのは静岡学園高校に入学してからでした。

高校に入ると、これまでのように運動能力による差はそれほどでもなくなり、これまでスピードに頼ってばかりいたために相手を抜けなくなってしまう選手や、パワーはあっても技術が足りないことでボールを失ってしまう選手がいました。
私が入学した静岡学園高校サッカー部には、実績のある選手が数多く在籍していましたが、そんな選手もスピードやパワーだけではなかなか通用せず、伸び悩む選手がたくさんいました。そのような中で、私は小・中学生年代に、技術練習(リフティング、ドリブル)を毎日繰り返し磨き続けてきた甲斐あって、個人技を活かしドリブルで相手選手の逆をついてかわしたり、相手の裏をつくパスを出したりすることができました。

身長が高い人や低い人、足が速い人や遅い人、力が強い人や弱い人、身体、運動能力には個人差があります。成長の度合いが異なる子供の頃はその差がより顕著に出てしまいます。しかし、運動能力だけで、果たして試合で活躍できるでしょうか。サッカーはボールを足で扱うスポーツですから、一番大切なのは「どれだけボールを上手く扱えるか」なのです。技術やテクニックは神経系の発達が著しいと言われる小・中学生年代がもっとも身につきやすいです。まずは技術練習を大切にしてコツコツと継続して取り組んでほしいと思います。

もちろん、スピードやパワーを否定しているわけでは決してありません。技術やテクニックがあってこそ個人の持っている身体、運動能力が活きるという話です。技術練習は、コツコツと繰り返しが多いため、時には飽きてしまうこともあるかもしれませんが、ボールを自由自在に扱う技術を身につけるには、やはり毎日の積み重ねや繰り返しが一番の近道です。自ら率先して毎日ボールにさわることで必ず上達していきますし、スピードやパワーは高校生くらいになるとある程度まで成長しますから、あせらずに技術練習に励んでほしいと思います。



■技術上達の可視化

コナミスポーツクラブサッカースクールでは、自社で開発した技術レベル評価制度を導入しています。目的は、子供たちがサッカーを生涯楽しむことができるように、小学生の時期に技術の必要性と大切さを知っていただくことです。
それが、リフティングとドリブルの技術でできたことを可視化することになります。

我々、指導者は、子供たちが積極的にチャレンジできる環境をいかにして作ることができるかということが重要であると考えています。
まずは、子供たち一人ひとりにしっかりと目標を設定することがポイントになります。
ただなんとなく練習して、なんとなくうまくなった気がしたでは、実際には、技術は身に付いていません。設定した目標を一つずつクリアしていくことで、何が出来るようになったのかが明確になり、達成感(喜び)を味わい、自信を持つことができます。
このことを、リフティングとドリブルの両軸で繰り返し練習していくことで、子供たちが足でボールを扱う技術が身についてきます。

子供たちは、この技術レベル評価制度をもとに、日々、サッカースクールだけでなく自宅でも練習をし、月1回のテストにチャレンジするのですが、それでも、なかなか、テストに合格できないことが続くこともあります。
しかし、子供たちも、保護者の皆さんも、合格できないことに焦る必要は全くありません。
技術というものは、1カ月や2カ月といった短期間で簡単に身に付くものではありません。
日々、練習を重ねていくことで、徐々にコツを掴み形になっていきます。
技術が身に付くまでは多くの時間を要しますので、テストが不合格だったから駄目なのではなく、焦らずに、日々、練習をし続けていくことが、大切になります。そして、少しずつですが、努力した成果は、かならず、子供たちに技術という形で身についているはずです。

我々、指導者は、子供たちを指導していくうえで、目先だけの結果に拘らずに将来に繋がることが1番大切だと考えています。
テストに合格することを目標としていきますが、1回で合格しなくても、2回で合格しなくても問題ありません。何回不合格だったとしても、やり続けることで合格した時に、はじめてその技術が身に付いたことになります。時間をかけて身に付いた技術こそ本物で、これこそが将来に活きる技術になります。また、習得するまでの失敗と成功の経験は、子供たちにとっても大きな力になるはずです。


■まとめ

技術を身につけるためには、多くの時間を要します。最初のうちは、なかなか上手く出来ず苦労することもあると思います。
しかし、出来なくても全く問題ありません。私はいつも例えでこう言います。
「人間は生まれてから歩くまで、最初は床を這ったり、立っては転んだり、バランスを一生懸命とりながら体で必死に覚え歩けるようになります。これはサッカーも同じです。最初は全く足でボールを扱えません。思った所にボールコントロールが出来ずに失敗を繰り返しながら、体でボールの感覚を覚えます。」
技術を身につけるには、反復練習がとても大切です。
子供たちが失敗しても目標に向かってチャレンジし続けることが大切なのです。
私たち指導者は、子供たちがチャレンジする姿勢をしっかりと見守り、一回の成功を見逃さない指導をしていきたいと考えています。

子供たちのサッカーに対する目的と目標はそれぞれに異なると思います。
プロサッカー選手を目標とする子供もいれば、楽しくサッカーをやりたいと思う子供もいます。
目的と目標が違っていても、サッカーの技術は身につけておくことが必要です。
サッカーを楽しいと思えるためには、思った所にボールをスムーズに運ぶことができ、思った所にボールを止めて、思った所にボールを蹴ることが出来るからこそ、楽しさを実感できます。
そのために、小学生の時期にリフティングとドリブル技術を練習する必要があります。

技術レベル評価制度では、子供たちがそれぞれ目標に向かって日々チャレンジしていくことが大切ですので、子供たちが積極的にチャレンジできる環境作りとアドバイスを日々行っていきます。
今後も、コナミスポーツクラブサッカースクールでは、サッカーの楽しさを伝えながら子供たちの技術レベル向上を全力でサポートしていきます。

プロフィール

大石 鉄也

1979年11月26日生まれ。静岡学園高等学校から川崎フロンターレ入団。(在籍8年)川崎フロンターレ在籍時代に1年間、ブラジルグレミオに留学。2004年に現役を引退。現在は、子どもたちへの指導を行いつつサッカースクールカリキュラム開発及び指導者の育成にあたる。